講義日程-2008年度夏学期
認識行動システム第二 †
- 13:00-14:30 工学部六号館 64講義室
- 評価はレポートと出席
- 3、4回のレポート課題。提出は学期末にまとめてメールで行なう。
- メール送信時の事故に注意。成績発表後に必ず確認すること
- 参考文献
- 感覚知覚全般
- 新編 感覚知覚ハンドブック 誠信書店
- 新生理学 医学書院
- 資格について
- ビジョン D.Marr 産業図書
- 視覚情報処理ハンドブック 朝倉書店
- 脳と知覚、運動
- 脳の計算理論 川人光男
- 認識し行動する脳 伊藤正男 東大出版
- 運動と脳 松波兼一 紀伊国屋
- 応用
- 人工現実感
- バーチャルリアリティ入門
レポート課題 †
- 感覚(知覚)に関して、何らかの新たな体験をしアカデミック(エンジニアリング)的な立場から考察論評せよ。どのような体験をテーマにするかに関しては自由である。
- ホロプター アレイに関して調べよ
- オームの(音響)法則について調べ、問題点を指摘し、問題点を考慮した解決法(聴覚モデル)について調査せよ。
- オームの音響法則:聴覚の蝸牛管の共鳴説(複合音は純音の集合として耳で分析される)
- 問題点
- 音のマスキング効果の無視
- うなりの説明が不可能
- 基本周波数を欠いた音からピッチが聴こえる事(1/2倍音成分が聴こえる等)の説明が不可能
内容 †
- 本講義のキーワード
- 生体情報の取得、計測
- 感覚情報の提示技術
- 心理物理測定
同じ状況でも、好みによって感覚の強さは違う
- 知覚のメカニズム
人は、どうやって外界を知覚するのか
- 感覚統合
- 人間-機械系への応用
人間機械論 †
人間の知覚を、コンピュータと同様に入力→演算→出力のモデルとしてとらえる。
外界と人体の認識と行動の相互作用をシステムとして捉える。
ユーザインタフェース †
世界-身体間に介在し、我々にとっての世界を変革するもの。
利用者にとっては、インターフェイスこそがコンピュータである
参考
人間の外界認識機構の解明とは~ †
色相環、etc.
太陽からへびがにょろにょろ
物体表面で吸収、反射される。吸収される度合いが色として知覚される。
網膜のメカニズム
人間は黄色(λ=590nm I=1.0) と赤色+緑色(λ=600nm I-0.9,λ=546nm I=0.9)を区別できない。
網膜の段階で演算がなされている。色感の情報は網膜で整理されている。
さらに高度に人を知る †
- 音声認識
- 画像認識
- 人工知能
- ロボティクス
- ヒューマン・コミュニケーション
このあたりはあんまり講義では扱わないよ
(4/22)錯覚・幻覚・妄想 †
錯覚
対象の大きさ、形、色、明るさなどが実際の物理的な特徴と大きくことなって知覚される現象
幻覚
外界の刺激が無いにもかかわらず、何かを知覚すること。
妄想
- 感覚の分類
特殊感覚と一般感覚に大別
また、一般感覚は内部、外部、固有感覚に分けられる。
固有感覚とは?
感覚受容器を刺激と受容器の位置から分類
固有感覚とは?
- 筋感覚
- 運動感覚
- 位置感覚
- 自己受容感覚
- 深部感覚
以上の語は定義が必ずしも統一されず同義に扱われることが多い。
- 物理的刺激
- 電磁波
- 音波(大気の振動)
- 加速度(重力)
- 揮発性物質 におい
- 水溶性物質 味
まだまだ他にもあるよ。でもめどいので省略
正露丸を虫歯に詰めると、痛みがどうでもよくなるよ。
臓器感覚、深部感覚、疲労感覚など。
知覚の世界では、まだ分からないことが多い。ここで教えたこともひっくり返るかも。
- 感覚を数量的に扱う
人は刺激をどう認識するのか? 刺激を入力し、感覚を出力する関数としてとらえる。→"心理物理学"という
これは、歴史的意義の説明が中心。
5/13
尺度について
名義尺度 (等号の保存) i.e.人の名前 --- 選択法
順序尺度 (順序の保存) i.e.モース硬度 --- 評定尺度法/品等法/一対比較法
間隔尺度 (差の保存・加法性の保存) i.e.摂氏 --- 分割法/カテゴリー推定法(表出法)
比例尺度 (比の保存) i.e.絶対温度 --- マグニチュード推定法(表出法)
目について
目というセンサのレンジは10^13~10^15ぐらいある。すごい。
明るいところ見るのと暗いところ見るので違うセンサ使ってる。だから見えやすい色も違
う。
所詮カメラなんて大したことないっすよ。目に比べれば。
5/20
- 物理現象から知覚はどうやってるかー電磁波の分布→パターン抽出
- ガンツフェルト(全体野、一様視野)定位が不確定、面の知覚がない→光の不均一が必要
- 分擬ー分離、凝縮
- 図、地
- ゲシュタルト心理学
- 近接の要因ー図の中で近いものがまとまって体制化する
- 類同の要因ー類似したものが体制化されやすい
- よい連続の要因ーなめらかでよい連続を体制化しやすい
- よい形の要因ー単純で規則的で対照的な形
- 閉合の要因ー閉じてるもの
- 残りを生じさせない要因
- 客観的構えの要因ー刺激提示の順序によって生まれた構え
- 経験の要因ー弱い
- 主観的輪郭ーカニッツァの三角形
立体視
- 空間知覚、奥行知覚、視空間
- 奥行きの弁別閾
- 奥行手がかり
- 一次的(生理的)手がかりー水晶体の調節、輻輳、両眼視差、単眼視差
立体映像ー偏光メガネ、アナグリフ式、継時式、HMD(焦点機能無視、すごい疲れる)
- 二次的(経験的)手がかりー網膜像の大きさ(遠いほど小さい)、線遠近法、きめの勾配、大気遠近法、遮蔽
- その他ー色相、特定距離方向、単眼手がかり、両目手がかり
- アレイ、ホロプター
- レポート課題1
・ホロプター、アレイについて調べよ(ネット以外も調べる)
- 視力=2点弁別能力、角解像度
- 最小視認閾、副尺視力、視角
- スネレン分数視力(欧米)
5/27
- レポート課題
・感覚(知覚)に関して、何らかの新たな体験をしアカデミック(エンジニアリング)的な立場から考察・論評せよ。
どのような体験をテーマにするかに関しては自由。ただし、授業・見学で体験した内容は除外。
例:体感型アトラクション、機器展示場
眼球運動
- 振り返る動作 眼球移動→頭部移動→眼球オーバーシュート→元に戻る→頭部移動終了
- 滑動性追従運動ー指標を中心窩でとらえる フィードバックあり 速度60deg/sまで追従可能
- サッカード(飛躍性運動)ー速い動きに対応、フィードバックなし
- サッカード(衝動性運動)ーマイクロ・サッカード
- 視運動性眼振ー視野に占める移動物体が大きいとき
- ドリフトー非共同性・穏やかな眼球運動
- トレモアー非共同性・高頻度の眼球運動(ふるえ)
- 前庭動眼反射
- 緊張性頚部眼反射ー人形の不気味さ
- 回旋ー視線方向を軸とする回転
- REM睡眠期の眼球運動ー夢との関係
- 自由視眼球運動ー普通の生活や読書時などの眼球運動
- 指標追従眼球運動
- 固視時不随意微小眼球運動(固視微動):一点を見ようとしても無理、止めると見えない
視野
- 運動視
- 網膜での運動検出:一時運動(明るさ・色)、二次運動(一時運動に統計処理)
- 運動速度の知覚ー異方性、運動弁別閾
- 運動視と周辺視
- コリジョンコース(田園型事故)
運動視
- 誘導運動ー静止刺激が周囲の運動刺激とは反対方向に動いて知覚される現象
- 自己誘導運動ー外界が動いてると自分が動いてるような錯覚が生じる現象
- 運動補足
- 自動運動ーUFO
6/10
錯覚:対象の物理的な特徴と異なって知覚されること
- 錯覚の原理はよくわからん
- 低次視覚:センサーがまずいor高次視覚
- 網膜説
- 眼球運動説:移動の経路が変
- 側抑制
- 感情移入説
- 良い形説
- グレゴリの説:網膜上の二次元情報→三次元に解釈するときの問題
- 知覚の恒常性:光量は昼間のゴキブリ>夜の白い紙のはずなのに…
- 対比:隣接する物理量の差を強調
- 同化:上の逆
- 残効:先行刺激と逆の効果が強調される
- イリュージョン
6/17
聴覚
- 音の3属性 音圧、周波数、波形
- 音の強さ(マグニチュード)と感じられる大きさ(震度)は一致しない
- 音圧 媒質がどうのこうの
- デシベル表現 比較で強さ表現
- 音圧レベル(SPL):音圧の比、基準音圧は人の最小可聴閾
- 音の強さレベル(IL):音の強さの比
- dB SPL≒dB IL
- 等ラウドネス曲線:音圧レベルと周波数の関係
- ホン(phon):日本独自単位 等ラウドネス曲線で補正したもの
- 騒音計のレベル
- ソーン尺度