院試過去問の解答
院試過去問 2003年度 数学 †
第1問 †
tex表記は面倒なので、分かる範囲でタイプ数を減らしています(太字でない等)
- (1)
- (2)
...を計算に関係ない部分として、
 = U_1^T (\sigma_1 y_1,...) =\begin{pmatrix} \sigma_1y_1^Ty_1 & \dots \\ \sigma_1y_2^Ty_1 & \dots \\ \vdots & \dots \end{pmatrix} = \begin{pmatrix}\sigma_1 & w^T \\ O & A_2 \end{pmatrix}\]})
なので、
である。
- (3)

- (4)
を用いる。

であり、
を最大にするxをとりx'に変換すれば、
は最大になる。よって=\sigma(A_1) = \sigma_1$})
- (5)
= \sqrt{\sigma_1^2 + w^Tw } \]})
なので、w=0
- (6)
とおく。あるx2が存在し、x2,y2を単位ベクトルとして。
とできる。

 = \sigma_2 \le \sigma(A_1) \]})
なぜならば、
の定義にはmaxを用いているから。
- (7)
略、補完希望
第2問 †
第3問 †
- (1)
全てのi,jに対し、
 -\sigma(G_j^{l-1}) \le \max\{ a_1,\cdots,a_n \} \]})
が成り立っているとき。
ならば
 -\sigma(G_j^{l}) \le \sigma(G_i^{l-1}) - \sigma(G_j^{l-1}) -a_l \le \max\{ a_1,\cdots,a_n \} \]})
不等号が逆の場合もほぼ同様。
を満たすものをahとする。ahを含むグループの値はah以上なので、右側の不等号の成立が言える。
- (2)
ahを特別視して、残りのn-1個をできるだけ均等に分割すると、
となり、どの時点でもこの値と同じか小さいグループがあるので、これより大きいグループにahが足されることはあり得ない。よって
 \le \frac{1}{m}\sum_{k\ne h} a_k + a_h = \frac{1}{m}\sum_{k=1}^n a_k + (1-\frac{1}{m}) \max\{ a_1,\cdots,a_n \} \]})
- (3)
 \because \sum a_i =\sum \sigma(G_i) \le m \max \sigma(G_i) \]})
(1)の右側の不等式、(2)を用いれば(3)が示せる。
- (4)
添え字1からm(m-1)までai=1で、最後がmの数列を考える。合計m^2であり、最適な分割では全ての大きさをmにできるが、このアルゴリズムを用いると、m(m-1)個を分割した時点で全ての分割の大きさがm-1になり、最後、大きさmの数字を分割した時点で、最大のグループの大きさは2m-1となる。
第4問 †
- 行列
を
実対称行列とし,
関数
を
と定義する.
ただし,制約
の元で
の極値を求める問題について議論する.ラグランジュ関数を
と定義する.
- (1)
を求めよ.
- (2)ベクトル
のとき,
は行列Aの固有ベクトルになることを示せ.
のとき,
となるので,
より
は
に対応する固有ベクトルとなる.
- (3)Aを
を満たす対角行列とし,
の要素は全て非ゼロとする.
- (3-1)
を求めよ.
- (3-2)「
かつ
」が成り立たないことを示せ.
- 成立を仮定すると,
なる
が存在する.これより,
,
ならば
となり,
.これより,
となり矛盾.
- (3-3)「
かつ
」が成り立たないことを示せ.
- (3-4)「
かつ
」が成り立たないことを示せ.
- 成立を仮定すると,
となり矛盾.
- (4)行列
は
を満たす
の対角行列とし,
とする.
の中の点を全て求めよ.
- 束縛条件は,
&=\sqrt{3}\mu\\x_2(4-\lambda)&=\sqrt{2}\mu\\x_3(6-\lambda)&=\sqrt{3}\mu\\x_1^2+x_2^2+x_3^2&=1\\\sqrt{3}x_1+\sqrt{2}x_2+\sqrt{3}x_3=0\end{align*}})
なので,.\]})
ここで,
ならば,
.
.これより,
のときは(3-2)と(3-3)が矛盾するので解なし.
- (5)
が極値を与えないことを示せ.
とすれば良い.極値を与えないことは自明に明らか.
第5問 †
第6問 †
- (1)
4個のボールを2個の箱に分配するとき、(4,0),(3,1),(2,2),(1,3),(0,4)の5通りが考えられるが、(4,0)を○○○○|や、(1,3)を○|○○○のように、ボールと(S-1)個の仕切りを並べる並べ方の問題と同一視できる。よって
!}{N!(S-1)!} \]})
通りの分配が存在する。
- (2)
N<Sの時は考えないことにする。はじめに1個のボールを全ての箱に入れてしまう。そうすれば、残りのN-S個のボールをS個の箱に入れる問題に読み替えることができる。(1)の結果を用いて、
!}{(N-S)!(S-1)!} \]})
- (3)
n>Nといった特殊な状況は考えないことにする。ある箱にn個のボールが入っていれば、残りはN-n個である。また、残りの箱はS-1個である。この分配の仕方は、(1)を用いて、
!}{(N-n)!(S-2)!} \]})
通りである。だから、全ての分配の数で割ることにより
&=&\frac{(N-n+S-2)! N!(S-1)!}{(N+S-1)!(N-n)!(S-2)!}=\frac{N(N-1)\cdots(N-n+1) \cdot (S-1)}{(N+S-1)(N+S-2)\cdots (N+S-n-1)} \\ &=& \frac{N^n \quad 1(1-\frac{1}{N})(1-\frac{2}{N})\cdots(1-\frac{n-1}{N}) S (1-\frac{1}{S})}{S^{n+1} (\frac{N}{S}+1-\frac{1}{S})(\frac{N}{S}+1-\frac{2}{S})\cdots (\frac{N}{S}+1-\frac{n+1}{S})} \\ &=& r^n \frac{1(1-\frac{1}{N})(1-\frac{2}{N})\cdots(1-\frac{n-1}{N})(1-\frac{1}{S})}{(r+1-\frac{1}{S})(r+1-\frac{2}{S})\cdots (r+1-\frac{n+1}{S})} \end{eqnarray*}})
なので、
= \lim_{N,S \to \infty , N/S =r} r^n \frac{1(1-\frac{1}{N})(1-\frac{2}{N})\cdots(1-\frac{n-1}{N})(1-\frac{1}{S})}{(r+1-\frac{1}{S})(r+1-\frac{2}{S})\cdots (r+1-\frac{n+1}{S})} = \frac{r^n}{(r+1)^{n+1}} \]})
コメント †