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- 行列Aをジョルダン標準型にTAT^(-1) = Jに標準化すると、
T exp(At)T^(-1) = exp(Jt)
(中略)
L[exp(Jt)] = (sI-J)^(-1)
L[exp(At)] = L[T^(-1)exp(Jt)T] = T^(-1)(sI-J)^(-1) T = (sI-A)^(-1)
状態空間表現でのexp(At)をラプラス変換すると(sI-A)^(-1)
線形時不変システムの状態空間表現と伝達関数表現の対応。
- 安定性
- 平衡点
状態空間表現でのシステム (d/dt)x = f(x) について、
f(x[e]) = 0 となる点を平衡点と呼ぶ。
- 平衡点まわりの安定性
任意の正数εに対して、x[e]からの距離がδ未満である初期値から時間を進めたときに、
それより先の任意の時点でx[e]からの距離がε未満に留まるような正数δが存在するなら、その系は安定。
さらにt→∞でx[e]に収束するなら、その系は漸近安定であるという。
- 線形時不変システム
x = exp(At)x[0] について、
ジョルダン標準系に直して、Tx = Texp(At)T^(-1)Tx[0] = exp(Jt)Tx[0]
xの安定性とTxの安定性は一致する。
Jの固有値の実部が全て負ならば、x,Txは原点に漸近安定。
実部が正の固有値があれば、不安定。
固有値の実部が全て正ではなく、実部が0の固有値がサイズ2以上のジョルダンブロックを成すなら不安定。
それ以外なら安定。
- リアプノフの定理。
dx/dt = Ax について、
XA+A^(T)X+Q = O となる正定値行列Qと対称行列Xについて、
Aが漸近安定であることとXが正定値であることは同値。
Xは一意に定まり、X = ∫[0,∞]exp(A^(T)t)Qexp(At)dt を満たす。
[exp(A^(T)t)Qexp(At)]^(∞)_0 = ∫[0,∞](d/dt)exp(A^(T)t)Qexp(At)dt = AX+XA
exp(At)→0 (t→∞)ならば、左辺は-Qになる。(ここの部分、「?」)
もしAが、実部が非負の固有値を持つなら、その固有値・固有ベクトルをλ,xとして、
XA+A^(T)X+Q = 0から、
Reλ*(x,Xx) + (x,Qx) = 0だが、各項が正なので、
この式は不成立。よってAには実部が非負の固有値は存在しない。
- 動的システムの構造
- 相似変換
dx/dt = Ax + Bu
y = Cx + Du について、
z = Tx と変数変換すると、各係数は
dz/dt = TAT^(-1)z + TBu = Ez + Fu
y = CT^(-1)z + Du = Gz + Hu と変換される。
どちらも同じ入力に対して同じ出力を返す、同じシステムの別な表現になっている。
入出力関係を変えない変換を、相似変換と呼ぶ。
状態空間表現には、相似変換の分だけ任意性が残っている。
- モード分解
状態空間表現の任意性を使って、方程式を理解しやすい形に書き直す。
Aをジョルダン標準形に直すと、状態方程式をジョルダンブロックごとに
独立した小さな微分方程式に分解できる。
分解された各方程式は、各固有値に対応するモードと呼ばれる。