[[講義日程-2007年度冬学期]]

** 数学3 [#i3340081]
- 担当:伊藤 伸泰 准教授
- 1.5単位
-- 物工:限定選択
-- 数理:限定選択※
-- システム:限定選択C
- 13:00-14:30 工学部八号館 82講義室
- 教科書なし
- [[講義ページ>http://aph.t.u-tokyo.ac.jp/~ito/education/math3/math3.html]]
-- 詳しいレジュメあり
- 基礎論・位相の部分は内容的にかなり怪しかった。聞き流すべきかも。

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//過去問去年分に対するtzik教授の''詳細な''解説
+ &mimetex(0 \geq x \geq 1);で定義された2乗可積分の空間&mimetex(L^{2}(0,1));は無限次元であることを示せ。
-- 各要素が直交する無限列があればよい。&mimetex(\{\sin(n\pi t)\}_{n\in \mathbb{N}});が直交無限列。証明略。
+ &mimetex(f(x)=2x,\ g(x)=x+1);とする。
++ &mimetex(f(x),g(x));が&mimetex(L^{2}(0,1));の元であることを示せ。
--- それぞれが2乗可積分であることを示せばよい。証明略。
++ &mimetex(f);のノルム&mimetex(\|f\|_{L^{2}(0,1)});を求めよ。
--- 定義に従って&mimetex(\left(\int_{0}^{1}|f(x)|^{2}dx\right)^{1/2});を計算。値は&mimetex(2/\sqrt{3});
++ &mimetex(f);と&mimetex(g);の内積&mimetex((f,g)_{L^{2}(0,1)});を計算せよ。
--- 定義に従って&mimetex(\int_{0}^{1}f^{*}(x)g(x)dx);を計算。値は&mimetex(5/3);
+ &mimetex(\alpha,\beta);を&mimetex(\alpha < \beta);なる実数とし、閉区間&mimetex(I=[\alpha,\beta]);を考える。&mimetex(f\in C^{1}(I));に対して~
&mimetex(\|f\| = \max_{x\in I}|f(x)| + \max_{x\in I}|f'(x)|);~
と定義する。ここで&mimetex(f');は&mimetex(f);の導関数を表す。
++ &mimetex(\|\cdot\|);は&mimetex(C^{1}(I));のノルムであることを示せ。
--- ノルムの公理は、非負性、同次性、三角不等式と、外が0なら中も0の公理。順に試せばよい。~
三角不等式以外は明らかに明白で自明である。~
三角不等式については、&mimetex(\max_{x\in I}|\cdot |);についての三角不等式から。
++ &mimetex(A=\{u\in C^{1}|u(\alpha)=0\});は&mimetex(C^{1}(I));の閉部分空間であることを示せ。
--- 部分空間になっていることは明らか。~
&mimetex(\{0\});は&mimetex(\mathbb{R});の閉集合なので、&mimetex(u(x)\in C^{1}(I)\to u(\alpha)\in \mathbb{R});が連続写像であることを示せばよい。~
&mimetex(u_{n}(x)\to 0 (n\to \infty));となる&mimetex(C^{1}(I));の列について、~
&mimetex(|u_{n}|\geq \max_{x\in I}|u_{n}(x)| \geq u_{n}(\alpha));から~
&mimetex(u_{n}(\alpha) \to 0);よってこの写像は連続。~
連続写像での閉集合の逆像は閉集合。よって&mimetex(A);は閉集合。
++ &mimetex(A);で~
&mimetex(|f|'=\max_{t\in I}|f'(x)|);~
はノルムであり、&mimetex(|\cdot |);と&mimetex(|\cdot |');とは同値であることを示せ。
--- &mimetex(|\cdot |');がノルムになっていることの証明は略。~
この2つのノルムが同値であるとは、ある正数&mimetex(a,b);をとって、~
任意の&mimetex(u\in C^{1}(I));について&mimetex(a|u|'\leq |u| \leq b|u|');を成立させることができればよい。~
左側の不等式は自明。~
右側の不等式、&mimetex(\max_{x\in I}|u(x)| + \max_{x\in I}|u'(x)|\leq b\max_{x\in I}|u'(x)|);を示す。~
平均値の定理から、任意の&mimetex(x\in I);に対してある&mimetex(\alpha \leq \gamma \leq x);が存在し、~
&mimetex(u(x)=u(x)-u(\alpha)+u(\alpha)=u'(\gamma)(x-\alpha)+u(\alpha)=u'(\gamma)(x-\alpha));が成立。~
絶対値をとって、&mimetex(|u(x)|=\leq |u'(\gamma)|(x-\alpha)\leq \max_{x\in I}|u'(x)|(\beta-\alpha));~
よって、&mimetex(|u| = \max_{x\in I}|u(x)| + \max_{x\in I}|u'(x)| \leq (\beta-\alpha+1)|u|');~
&mimetex(b=\beta-\alpha+1);とすればよい。
+ 有界な数列&mimetex(x=\{x_n\});全体を数列空間と呼び、&mimetex(l^{\infty});と書き表す。
++ &mimetex(|x|_{l^{\infty}}=\sup_{n}|x_n|);は&mimetex(l^{\infty});のノルムであることを示せ。
--- 非負性、同次性、「外0⇒中0」は自明。~
三角不等式について、&mimetex(\sup_{n}|x_{n}+y_{n}|\leq \sup_{n}|x_{n}|+\sup_{n}|y_{n}|);を示す。~
任意の正数&mimetex(\varepsilon);について、ある&mimetex(m\in \mathbb{N});が存在し、~
&mimetex(\sup_{n}|x_{n}+y_{n}|\leq |x_{m}+y_{m}|+\varepsilon \leq |x_{m}|+|y_{m}| +\varepsilon \leq \sup_{n}|x_{n}|+\sup_{n}|y_{n}|+\varepsilon);~
&mimetex(\varepsilon);は任意に小さくできるので、~
&mimetex(\sup_{n}|x_{n}+y_{n}|\leq \sup_{n}|x_{n}|+\sup_{n}|y_{n}|);が成立。
++ &mimetex(l^{\infty});がバナッハ空間であることを示せ。
--- &mimetex(l^{\infty});の任意のコーシー列&mimetex(\{\{x_{mn}\}_{n\in \mathbb{N}}\}_{m\in \mathbb{N}});について、~
&mimetex(n);を固定した&mimetex(\{x_{mn}\}_{m\in \mathbb{N}});もコーシー列になることを示せば~
実数のyambi性に帰着できる。~
任意の正数&mimetex(\varepsilon);に対して、ある&mimetex(N\in \mathbb{N});が存在し、~
任意の&mimetex(i,j\geq N);について&mimetex(|\{x_{in}-x_{jn}\}_{n\in \mathbb{N}}|\leq \varepsilon);が成立する。~
&mimetex(|\{x_{in}-x_{jn}\}_{n\in \mathbb{N}}| = \sup_{n}|x_{in}-x_{jn}| \geq |x_{in}-x_{jn}|);なので~
&mimetex(n);を任意に固定した個々の&mimetex(\{x_{mn}\}_{m\in \mathbb{N}});もコーシー列で、収束先&mimetex(x_{mn}\to x_{n});、&mimetex(m \to \infty);が存在する。
+ &mimetex(X=L^{2}(0,1));とする。
++ 関数&mimetex(a(x));を、&mimetex(0\leq x \leq 1);で連続な関数とし、線形作用素&mimetex(A);を~
&mimetex((Af)(x) = a(x)f(x));~
&mimetex(D(A) = A^{-1}[X]);とする。~
この&mimetex(A);は有界作用素、すなわち連続作用素であることを示せ。
--- &mimetex(a(x));は有界閉区間で連続なので有界。最大値が存在する。~
&mimetex(|a(x)f(x)|^2 = |a(x)|^{2}|f(x)|^{2} \leq \max|a(x)|^{2}|f(x)|^{2});~
両辺積分して平方根をとれば~
&mimetex(|Af| \leq \max|a(x)||f|);
++ 線形作用素&mimetex(B);を~
&mimetex((Bf)(x) = \frac{f(x)}{x});~
&mimetex(D(B)= B^{-1}[X]);と定義する。~
この&mimetex(B);は有界作用素ではないことを、関数列~
&mimetex(\varphi_{n}(x) = \begin{cases}0,\ \ (\mathrm{for} 0<x<1/n \vee 2/n<x<1) \\ \sqrt{n}\ \ (else)\end{cases});~
の&mimetex(|\varphi_{n}|);および&mimetex(B\varphi_{n});を計算して示せ。
--- &mimetex(|\varphi_{n}|=1);、&mimetex(|B\varphi_{n}|=n/\sqrt{2});
+ &mimetex(X);をヒルベルト空間とする。線形作用素&mimetex(A);およびその逆作用素&mimetex(A^{-1});が有界作用素であれば、~
&mimetex(A);の共役作用素&mimetex(A^*);について、&mimetex((A^{*})^{-1}=(A^{-1})^*);であることを示せ。
-- &mimetex(I = AA^{-1});~
両辺の共役をとる、任意の&mimetex(f,g\in X);について、~
&mimetex(((AA^{-1})^{*}f,g)=(f,AA^{-1}g)=(A^{*}f,A^{-1}g)=((A^{-1})^{*}A^{*}f,g));~
&mimetex(I = (AA^{-1})^* = (A^{-1})^{*}A^{*});~
&mimetex((A^{*})^{-1} = (A^{-1})^*);

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