数理手法Ⅱ
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[[講義日程-2007年度冬学期]]
**数理手法Ⅱ [#de431ae9]
-- 担当:河村 哲也 非常勤講師(お茶の水女子大学教授)
-- 1.5単位
--- 物工:限定選択
--- 数理:限定選択B
--- システム:限定選択※
-- 16:30-18:00 工学部六号館 63講義室
-- 教科書
--- [[数値シミュレーション入門>http://www.amazon.co.jp/ex...
--- [[応用編微分方程式>http://www.amazon.co.jp/exec/obido...
**内容 [#w927085b]
- 偏微分方程式の数値解法とその応用
-- 大部分の偏微分方程式は解析的には解けない→数値的に解く。
-- 物理法則に現れる偏微分方程式の多くは2階。~
線形なものの方が解きやすい。非線形なものはできる範囲で線...
**過去問 [#rae18816]
-1. 1解波動方程式のLax法での安定条件.~
&mimetex(u_i^j=G^ne^{\sqrt{-1}\xi\Delta x});とおき,代入...
#mimetex(|G|=\frac{\Delta t}{\Delta x});
より&mimetex(\Delta t\le \Delta x);が安定条件.
-2. 2次元ラプラス方程式の境界値問題を3×3の格子を用いて解...
&mimetex((x,y)=(ai/3,j/3));での解を&mimetex(u_{i,j});と置...
#mimetex(\frac{u_{i-1,j}-2u_{i,j}+u_{i+1,j}}{(\Delta x)^2...
また,境界条件より,&mimetex(u_{0,j}=u(3,j)=0, u_{i,0}=-3...
なので,&mimetex((i,j)=(1,1),(1,2),(2,1),(2,2));を入れて...
-3. 1次元拡散方程式の初期値・境界値問題を変数分離法で解け...
&mimetex(u=X(x)T(t));とおき,
#mimetex(\frac{1}{X(x)}\frac{\partial^2 X(t)}{\partial x^...
とかおいてごにょごにょ.
-4 波動方程式,ラプラス方程式,拡散方程式の解の性質につい...
--波動方程式~
#mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2}=k^2\frac{\part...
&mimetex(u=f(x-kt)+f(x+kt));の形で表せる.
--ラプラス方程式~
#mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}+\frac{\partial...
平均値の定理,最大最小値の定理が成立.
--拡散方程式の解の性質~
#mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}=a^2\frac{\partial^...
各点で関数の値が平均化する方向に向かう.
-5 講義の感想~
指がつりました.
**授業ノート [#eb28e47d]
- 数理物理学に現れる偏微分方程式(PDE,Partial Differential...
⇔常微分方程式(ODE,Ordinal Differential Equation)
-- 二つ以上の独立変数に対する偏微分を含んだ方程式。
-- ラグランジュの偏微分方程式~
u = u(x,y) は未知~
P,Q,Rは既知として、~
P(x,y,u)∂u/∂x + Q(x,y,u)∂u/∂y = R(x,y,u)~~について、~~補...
-- ∂u/∂x + c∂u/∂t = 0 を解く。~~dx = dt/c ∧ du = 0 ⇒ u = ...
-- 一次元波動方程式~~{(∂/∂t)^2-(k∂/∂x)^2}u = 0~~微分演算...
-- 二次元ラプラス方程式~~{(∂/∂x)^2 + (∂/∂y)^2}u = 0 の解...
- 物理現象からの導出
-- 弦の微小振動。弦を微小区間に分割して運動方程式を立て、...
- 二階の準線形偏微分方程式の分類
-- 拡散方程式。熱伝導方程式。熱流は等温面に垂直に、温度勾...
-- ポアソン方程式~~熱源ありの熱伝導方程式の平衡状態の解。...
-- 波動方程式、{(∂/∂t)^2 - Δ}u = 0
-- 二階の準線形偏微分方程式:二階の偏微分方程式で、ニ階偏...
--- 2変数の準線形偏微分方程式、A∂[x]^2 u + B∂[x]∂[y]u + ...
-- 例){y^2∂[x]^2 - 4x^2 ∂[y]^2}u = 0~~y∂[x]ξ + 2x∂[y]ξ = ...
- 偏微分方程式の解法、&mimetex(\LaTeX);の練習
-- 変数分離法~
線形・同次な偏微分方程式で、境界条件も同次なときにはその...
独立変数ごとの別々な関数の積の形で解を書いてから、境界条...
方程式や境界条件が同次でないときには、非同次の特解と同次...
--- 有限長の一次元熱伝導~
&mimetex(u = u(x,t));~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
境界値&mimetex(u(0,t)=u(1,t)=0);~
初期値&mimetex(u(x,0)=f(x));~
与えられた境界値条件(B.C.,Boundary Condition)と初期条件(I...
偏微分方程式の解を求める問題。初期値・境界値問題。~
解の一意性は他で示すとして、発見的に解を見つける。~
変数分離、 &mimetex(u(x,t) = T(t)X(x));という形の解を仮定...
T,Xは、&mimetex(\frac{dT}{dt}X = T\frac{d^2 X}{dx^2});を...
変形して、&mimetex(\frac{1}{T}\frac{dT}{dt} = \frac{1}{X}...
左辺は&mimetex(x);に依存せず、右辺は&mimetex(t);に依存し...
&mimetex(\frac{1}{T}\frac{dT}{dt} = \frac{1}{X}\frac{d^2 ...
二つの別々な常微分方程式に帰着できた。~
まず、&mimetex(X);の方を解くと。~
&mimetex(X = A \sin(Cx) + B \cos(Cx)); ~
境界条件を課せば、&mimetex(B = 0);~、&mimetex(A \sin(C) =...
自明でない解は&mimetex(\sin(C) = 0);、&mimetex(C=n\pi);の...
&mimetex(X = A\sin(n\pi x));~
次に、&mimetex(T);の方を解くと、&mimetex(\frac{dT}{dt} = ...
&mimetex(T = \exp(-n^2 \pi^2 t));~
二つ合わせて、&mimetex(TX = C_n \exp(-n^2 \pi^2 t)\sin(n\...
これは境界条件を満たす解の一系列になっている。~
次に、元々の偏微分方程式が線形であることに注意して、初期...
得られた解の線形結合をとる。~
&mimetex(u = \sum_{n=1}^{\infty}A_n \exp(-n^2 \pi^2 t)\si...
初期条件を満たすように係数&mimetex(A_n);を決めれば最終的...
&mimetex(u(x,0) = \sum_{n=1}^{\infty}A_n \sin(n\pi x) = f...
&mimetex(u(x,t) = 2\sum_{n=1}^{\infty}\left(\int_{0}^{1}f...
--- 半無限長の一次元熱伝導~
境界条件を&mimetex(u(x,0)=0);、&mimetex(x\to\infty);で&mi...
それ以外は同じ。~
変数分離をして&mimetex(X);の方を解くと、&mimetex(X = A\si...
境界条件から&mimetex(B=0);、&mimetex(C);は任意の実数でよ...
&mimetex(T);の方も解いてから重ね合わせると、&mimetex(u = ...
境界条件を満たすように&mimetex(A(C));を決めると、~
&mimetex(u(x,t) = \frac{2}{\pi}\int_0^{\infty}\left(\int_...
--- 熱源のある有限長一次元熱伝導~
熱源の無いときの偏微分方程式に項を追加して、~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
特解を見つけるために、定数変化法を使う。~
同次方程式の解、&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}A_n \exp(-n^2...
&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}A_{n}(x) \exp(-n^2 \pi^2 t)\s...
偏微分法定式に代入してみると。&mimetex(A_{n}(x));が満たす...
&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}\exp(-n^2 \pi^2 t)\{\frac{d^2...
&mimetex(\TeX);化限界により以下略。この方程式を解いて非同...
非同次の一般解が得られる。
-- フーリエ変換による解法~
&mimetex(\hat{f}(k) = \int_a^b K(x,k)f(x)dx);という形の関...
うまく変換すると方程式本体や境界条件を簡単にすることがで...
&mimetex(a=-\infty, b=\infty);~
&mimetex(K(k,x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\exp(-ikx));と選び、~~
定義域を適当に設定したものをフーリエ変換と呼ぶ。~
--- 定義域が急減少超関数なら値域は緩増加関数。~
定義域が緩増加超関数なら値域は急減少関数、などなど。少々...
----
- フーリエ変換
-- &mimetex(\hat{f}(k) = F[f] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int...
&mimetex(f(x) = F^{-1}[\hat{f}] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\i...
-- 種々の公式~
&mimetex(F\left[\frac{d^n f}{dx^n}\right] = (ik)^{n}\hat{...
&mimetex(F[f*g] = \sqrt{2\pi}F[f]F[g]);
&mimetex(F[f\cdot g] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}F[f]*F[g]);
--- 畳み込み~
&mimetex(f*g = \int_{-\infty}^{\infty}f(\xi)g(x-\xi)d\xi);~
畳み込みは線形で可換、零関数以外との畳み込みは単射。~
&mimetex(\delta);関数が単位元。~
定数関数の&mimetex(1);との畳み込みは全範囲での積分を表す。~
&mimetex((f*g)' = f'*g = f*g');
----
- 円形膜の振動。太鼓の中心を叩く。~
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = c^{2}\Delta ...
&mimetex(u = 0); on &mimetex(x^2 + y^2 = a^2);
-- 円筒座標系で波動方程式を解く。~
&mimetex(x = r \cos \theta);~
&mimetex(y = r \sin \theta);~
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = c^{2}\left(\...
&mimetex(u = 0); on &mimetex(r=a);~
&mimetex(u(r,\theta) = u(r,\theta + 2\pi));~
-- 色々略。添付されているyambiさんのtexノート参照。
- 無限長の弦の振動
-- &mimetex( \ddot{u} = c^2 \Delta u );~
&mimetex( u(x,0) = F(x) );~
&mimetex( \dot{u}(x,0) = G(x) );~
-- 一般解は~
&mimetex( u(x,t) = f(x-ct) + g(x+ct) );~
&mimetex( u(x,0) = F(x) = f(x) + g(x) );~
&mimetex( \dot{u}(x,0) = G(x) = -cf'(x) + cg'(x) );~
&mimetex( \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\xi - f(a) + g(a)...
&mimetex( 2f(x) = F(x) - \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\x...
&mimetex( 2g(x) = F(x) + \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\x...
&mimetex( u(x,t) = \frac{1}{2}\left{ F(x-ct) + F(x+ct) \r...
初期値が影響を与える領域は時間と共に広がってゆくが、有限...
- 円板の平衡温度分布
-- 半径&mimetex(a);の円板の円周上での温度分布がわかってい...
平衡状態での内部の温度分布を求める。~
&mimetex(\Delta u = 0);~
境界条件として、&mimetex(u = g \mathrm{on} \Gamma);
-- 軸対称な問題なので、極座標で考える。極座標に移れば、~
&mimetex(\Delta u = \left{\frac{\partial^2}{\partial r^2}...
&mimetex(u(a,\theta) = g(\theta));~
変数分離して、&mimetex(u = R(r)\Theta(\theta));~
&mimetex(\Theta \frac{d^2 R}{dr^2} + \frac{\Theta}{r}\fra...
&mimetex(\frac{r^2}{R}\frac{d^2 R}{dr^2} + \frac{r}{R}\fr...
&mimetex(\Theta);は周期性を持つ必要があるので、&mimetex(m...
&mimetex(\Theta = A \sin (m\theta) + B \cos(m\theta));~
&mimetex(\left(r^2\frac{d^2}{dr^2} + r\frac{d}{dr} - m^2 ...
&mimetex(\left{\left(r\frac{d}{dr}\right)^2 - m^2 \right}...
&mimetex(\left(r\frac{d}{dr}- m\right)\left(r\frac{d}{dr}...
Rが原点で有界であることを課せば、~
&mimetex(R = Cr^m);~
得られた解の群を重ね合わせて一般解を作れば、~
&mimetex(u(r,\theta) = B_0 + \sum_{m=1}^{\infty}r^{m}(A_m...
境界条件を満たすように係数を決めると、~
&mimetex(u(a,\theta) = B_0 + \sum_{m=1}^{\infty}a^{m}(A_m...
//&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\...
//&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\...
//&mimetex(\sum_{m=1}^{\infty}\frac{r}{a}^{m}(\sin(m\xi)+...
&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\xi...
- ラプラス方程式&mimetex(\Delta u = 0);の解を、調和関数と...
--「調和関数の平均値の定理」が成り立つ。~
&mimetex(u(p) = \frac{1}{2\pi a}\oint_{C}u |dr|);、&mimet...
三次元では、&mimetex(u(p) = \frac{1}{4\pi a^2}\int_{\part...
-- 最大・最小の定理~
定数でない調和関数は領域内部では極大・極小をとらない。
-- ラプラス方程式、ディリクレ境界問題の解の一意性。境界で...
2つの解の存在を仮定すると、その差もラプラス方程式を満た...
ラプラス方程式の解は境界でのみ最大値・最小値を取れるので...
よって2解の差は常に0となり、一致する。
- 1階常微分方程式の初期値問題の数値解法~
&mimetex(y'(x)=f(x,y(x))\ \wedge\ y(0)=y_0);
-- オイラー法~
非常に単純。精度はとても悪い。~
&mimetex(y' = \frac{dy}{dx} = \lim_{\Delta x\to 0}\frac{y...
&mimetex(\frac{y_{n+1} - y_{n}}{h} = y'_n = f(x_{n},y_{n}...
&mimetex(y_{n+1} = y_{n} + h f(x_{n},y_{n}));
--- 精度の向上~
&mimetex(y(x+\Delta x) = y(x) + y'(x)\Delta x + o(\Delta ...
オイラー法では、解のテイラー展開のうち、~
&mimetex(\Delta x);の一次までとって他を無視している。~
もっと高次の項までとれば解の精度がよくなる。~
なるべく手間をかけずに高階微分の項を取り入れる方法を探す。
-- 4次のRunge-Kutta法~
xをずらした点の値を使って、高階微分の項を取り入れる。
--- &mimetex(k_1 = f(x_n,y_n));~
&mimetex(k_2 = f(x_n + \frac{h}{2},y_n + k_{1}\frac{h}{2}...
&mimetex(k_3 = f(x_n + \frac{h}{2},y_n + k_{2}\frac{h}{2}...
&mimetex(k_4 = f(x_n + h,y_n + k_{3}h));~
&mimetex(y_{n+1} = y_n + (k_1 + 2k_2 + 2k_3 + k_4)\frac{h...
- 数値積分の利用
-- &mimetex(y'(x)=f(x,y(x)));の両辺を&mimetex([x_n,x_{n+1...
&mimetex(y_{n+1} - y_{n} = \int_{x_n}^{x_n+1}f(x,y(x))dx);~
右辺には未知関数の積分が入っているのですぐには値を求めら...
右辺を長方形近似したものがオイラー法。~
&mimetex(\int_{x_n}^{x_n+1}f(x,y(x))dx \sim f(x_{n},y_{n}...
まずオイラー法で予測子として仮の&mimetex(y_{n+1});の値を...
台形公式で近似するのがホイン法。~
現在の値と1ステップ前の値から直線近似で次の値を求めるの...
- 連立微分方程式と高階微分方程式の初期値問題
-- 連立微分方程式~
既知の初期値から始まり、微分が既知の関数として与えられて...
解法は1変数のときと同じ~
&mimetex(x(t) \in \mathbb{R}^{n});~
&mimetex(\dot{x} = f(t,x));~
&mimetex(x(0) = x_0);
--- オイラー法~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n} + f(t_{n},x_{n})\Delta t);
--- ホイン法~
&mimetex(k_1 = f(t_{n},x_{n}));~
&mimetex(k_2 = f(t_{n}+\Delta t,x_{n}+k_1 \Delta t));~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n}+(k_1+k_2)\frac{\Delta t}{2});
--- 4次Runge-Kutta法~
&mimetex(k_1 = f(t_{n},x_{n}));~
&mimetex(k_2 = f(t_{n}+\frac{\Delta t}{2},x_{n}+k_1 \frac...
&mimetex(k_3 = f(t_{n}+\frac{\Delta t}{2},x_{n}+k_2 \frac...
&mimetex(k_4 = f(t_{n}+\Delta t,x_{n}+k_3 \Delta t));~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n}+(k_1+2k_2+2k_3+k_4)\frac{\Delta ...
-- 高階微分方程式~
高階の微分方程式は変数を増やすことで連立微分方程式に帰着...
&mimetex(\ddot{x} = f(t,x,\dot{x}));は&mimetex(y = \dot{x...
&mimetex(\dot{y} = f(t,x,y));~
&mimetex(\dot{x} = y);
- 数値微分~
離散的なサンプル値だけが既知の関数の微係数の近似値を計算...
-- 求めたい点の周りの関数値の線形結合で微係数を近似計算す...
周り3点を使うと、~
&mimetex(ax(t-k) + bx(t) + cx(t+h) \sim (a+b+c)x + (ch-ak...
&mimetex(a+b+c = 0);~
&mimetex(ch-ak = 1);と選べば近似値が得られ、~
さらに&mimetex(ak^2 + ch^2);とすれば精度が上がる。~
&mimetex(a=0\ hb=-1\ hc=1);と選んだものを前進差分。~
&mimetex(ka=1\ kb=-1\ c=0);と選んだものを後退差分。~
&mimetex(k=h);のときに&mimetex(ha=2^{-1}\ hb=-1\ hc=2^{-1...
- 境界値問題~
&mimetex(\ddot{y}+y+x=0\ (0<x<1));~
&mimetex(y(0)=y(1)=0);と、~
領域の境界での制約が与えられた問題を境界値問題と呼ぶ。~
今回の微分方程式の一般解は&mimetex(y=A\cos(x)+B\sin(x)-x);~
境界条件を課すと&mimetex(y=\frac{\sin(x)}{\sin{1}}-x);
-- 差分法による近似解法~
空間を離散化し、格子点上での近似解を求める。~
各格子点に番号を振り、微分を差分で置き換えて、~
微分方程式を差分方程式に近似する。~
&mimetex(\ddot{y}_{n} = \frac{y_{n+1}+y_{n-1}-2y_{n}}{h^2...
&mimetex(y_{n+1}+y_{n-1}-2y_{n} + h^{2}(y_{n}+x_{n}) = 0);~
&mimetex(y_{n+1}-(2-h^{2})y_{n}+y_{n-1}=-h^{3}n\ (1<n<N));~
&mimetex(y_{1}=y_{N}=0);~
線形微分方程式を連立一次方程式に変換できた。~
この方程式は対角要素とその上下一つだけが非ゼロの帯状行列。~
対角より下の要素を消すように掃き出し、後退代入で下から値...
&mimetex(O(n));で解ける。
- 偏微分方程式の差分解法
-- 1次元拡散方程式の陽解法~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}=\frac{\partial^2 u...
境界条件&mimetex(u(0,t)=u(1,t)=0);と~
初期条件&mimetex(u(x,0)=f(x));の~
両方が与えられている問題は初期値境界値問題。~
問題を解く領域を固定して、時間・空間を等間隔に離散化し、~
偏微分を差分に置き換える。~
&mimetex(u_{j}^{n} = u(x_j,t_n));~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{u_{j}^{n+1...
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} = \frac{u_{j+1...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t} = \frac{u...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} + \frac{\Delta t}{(\Delt...
これはnについての漸化式。初期値と境界値が決まれば次々に決...
差分近似で刻み幅を大きくとりすぎてしまうと解が振動してし...
誤差がどんどん大きくなってしまう。~
この熱伝導方程式の場合、その境目は0.5。
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
&mimetex(u(t,x) = g(t)e^{-i\xi x});の形の解を仮定すると、~
&mimetex(g=e^{-\xi^2 t});が得られる。~
差分方程式の方にも特解として&mimetex(u_{j}^{n}=G^{n}e^{\x...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}}{u_{j}^{n}} = G);は増幅率と呼...
差分方程式が有界な解を持つためには、&mimetex(|G|\leq 1);...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} + \frac{\Delta t}{(\Delt...
&mimetex(G = 1 + \frac{\Delta t}{(\Delta x)^2}(Ge^{\xi i\...
&mimetex(G = 1-4\frac{\Delta t}{\Delta x^2}(\sin\frac{\th...
&mimetex(\frac{\Delta t}{\Delta x^2}\leq \frac{1}{2(\sin\...
- 陰解法~
時間微分を差分に直す際、前進差分ではなく後退差分を取って...
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{u_{j}^{n}-...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n}-u_{j}^{n-1}}{\Delta t} = \frac{u...
これは、漸化式型ではなく、連立一次方程式になっている。~
陰解法では&mimetex(G=\frac{1}{1+4\frac{\Delta t}{(\Delta ...
陰解法と陽解法を組み合わせて、
&mimetex(\frac{u_{j}^{n}-u_{j}^{n-1}}{\Delta t} = (1-\alp...
と取ると、&mimetex(\alpha\geq\frac{1}{2});のとき&mimetex(...
&mimetex(\alpha=\frac{1}{2});のとき時間精度が一つ向上する。
- ADI法(Alternating Direction Implicit Method)~
二次元の熱伝導方程式の陰解法では、巨大な疎行列がかかった...
計算時間を削減するために、特定の方向だけを陰的に、他の方...
各ステップで陰的にする方向を交互に切り替えて計算すると~
計算量を削減しつつ安定性を確保できる。~
2次元ならうまくいくが、3次元ではこの方法では安定性は確...
- 移流方程式の差分解法
-- 1次元の波動方程式~
&mimetex(\ddot{u} = c^{2}\Delta u);を変形すると、~
&mimetex(\left(\frac{\partial}{\partial t}-c\frac{\partia...
この方程式は特解として、~
&mimetex(\left(\frac{\partial}{\partial t}+c\frac{\partia...
という一次元移流方程式を含む。~
移流方程式は厳密に解けて、~
初期条件&mimetex(u(x,0)=f(x));に対して~
解は&mimetex(u(x,t)=f(x-ct));
-- 差分解法~
微分を差分で置き換えると
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t}+c\frac{u_...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} - \frac{\mu}{2}(u_{j+1}^...
さて、元の方程式の厳密な特解を使って安定性を調べる、~
&mimetex(u_{j}^{n}=G^{n}e^{i\xi j\Delta x});と置くと、~
&mimetex(G=1-i\mu \sin \theta);~
&mimetex(|G|^2 = 1+\mu^2 \sin^2 \theta > 1);~
この解法では解は常に不安定になってしまう。
-- 差分解法その2~
今度は中心差分ではなく後退差分で近似する。~
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t}+c\frac{u_...
この差分は1次精度上流差分と呼ぶ。~
&mimetex(u_{j}^{n+1} = (1-\mu)u_{j}^{n} - \mu u_{j-1}^{n}...
再び厳密解を使って安定性を判別する。~
&mimetex(G=1-\mu e^{-i\theta});、&mimetex(\theta = \xi \D...
これは複素平面上で&mimetex((1-\mu,0));を中心とした半径&mi...
&mimetex(|G|\leq 1);であり、近似解が安定になる条件は、~
&mimetex(\frac{c\Delta t}{\Delta x} = \mu\leq 1);~
特性曲線が影響領域に含まれる必要がある。(CFL条件)~
-- 精度の向上(Lax,Wedroff法)~
時間微分を差分に置き換える際、2次の項まで残し、~
空間微分を中心差分に置き換えると、~
&mimetex(u_{j}^{n+1}=u_{j}^{n}-\frac{\mu}{2}(u_{j+1}^{n}-...
時間空間ともに2次精度の公式が得られる。~
安定条件は&mimetex(\mu \leq 1);
-- 安定条件の発見的な見つけ方~
1次精度の上流差分近似をしたものをテイラー展開し、2次の項...
&mimetex(\frac{u(x,t+\Delta t)-u(x,t)}{\Delta t}+ c\frac{...
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}+ c\frac{\partial u...
となり、近似によって移流法定式が移流拡散方程式になってい...
もし拡散定数&mimetex(1-\mu);負なら、波は拡散せず~
徐々に中心に集まって尖ってゆきいずれ発散してしまう。~
厳密解と増幅率を使った安定判別は線形の偏微分方程式にしか...
差分をとったものを再びテイラー展開する方法は少々非線形で...
-- クーラン数の意味~
&mimetex(\mu = \frac{c\Delta t}{\Delta x} = \frac{c}{\fra...
分母は数値的な情報の伝わる速さ。分子は物理的な情報の伝わ...
数値的な情報の伝播は、物理的な情報の伝播に追いつかれては...
- 差分スキーム~
差分方程式で、&mimetex(\Delta x);と&mimetex(\Delta t);の...
差分近似をしたときに、差分演算子&mimetex(S);を使って、~
&mimetex(u(x,t+\Delta t)-S(h(\Delta t),\Delta t)u(x,t) = ...
にの形になるなら、差分スキームは偏微分方程式に適合してい...
&mimetex(|S^{n}|<c);ならばその差分スキームは安定であると...
-- Laxの同等定理。~
線形部分方程式を近似する差分スキームが、安定で偏微分方程...
&mimetex(\Delta t\to 0);のとき、差分スキームの解は微分方...
- ポアソン方程式の数値解法~
&mimetex(\Delta u = -\rho);~
- ラプラシアンの意味~
ラプラシアンを離散化すると、ラプラシアンの作用は~
各点について、周囲の点での値の平均からのずれを表している。
-- cf)調和関数の平均値の定理,最大最小の定理
-- 拡散方程式は、各点での関数の値が平均化する方向へ変化し...
- 優調和関数,劣調和関数
-- &mimetex(u_p \geq \frac{1}{2\pi a}\oint_c u ds);
-- &mimetex(u_p \leq \frac{1}{2\pi a}\oint_c u ds);
- 差分法で得られる連立1次方程式系の特徴
-- 大次元で非常に規則正しい疎行列~
疎行列の逆行列は疎行列になるとは限らない。⇒反復解法
-- &mimetex(Ax = b);を&mimetex(x = Mx+c);と変形し、~
&mimetex(x_{n+1} = Mx_{n}+c);という漸化式を反復する。~
&mimetex(x_{n});が収束すれば、収束先の微分法定式の解。~
&mimetex(M);のスペクトル半径が1より小さければ収束する。
-- ヤコビの反復法~
&mimetex(Ax = b);~
&mimetex(A = L+U+D);と分解。Lは下三角行列、Uは上三角行列...
Dの対角要素には0が現れないように適当に入れ替えておく。~
&mimetex(Ax = (L+U+D)x = b);~
&mimetex(x = -D^{-1}(L+U)x + D^{-1}b);
-- ガウス・ザイデル法~
&mimetex((L+D+U)x=b);~
&mimetex(x_{n+1} = -(L+D)^{-1}Ux_{n} + (L+D)^{-1}b);~
&mimetex(x_{n+1} = -D^{-1}Lx_{n+1} - D^{-1}Ux_{n} + D^{-1...
&mimetex(D^{-1}L);は対角要素の無い下三角行列。上から順に...
スペクトル半径はヤコビ法の半分ほどになり、半分ほどの反復...
-- SOR法(Successive Over Relaxation Method)~
&mimetex(x'_{n} = -D^{-1}Lx_{n+1}-D^{-1}Ux_{n}+D^{-1}b);~
&mimetex(x_{n+1} = (1-\alpha)x_{n}+\alpha x'_{n});~
&mimetex(\alpha);は加速係数。収束するためには&mimetex(0<\...
&mimetex(\alpha);を最適値に選ぶと、運が良ければヤコビ法の...
&mimetex(\alpha);の値は&mimetex(b);には依らない。~
理論的に決める方法は無く、試行により決める。
- 差分法の応用~
-- 複雑な領域の取扱い~
物理的な意味のある領域形状を、計算しやすい領域に座標変換。~
物理面から計算面への変換。
-- 物理面の格子点での差分を、格子点の座標の差分で割れば物...
複雑な形状の物理面をパラメタ付けし、パラメタが整数の点で...
- 数値流体力学(CFD,Computational Fluid Dynamics)~
基礎方程式は古くから知られていたが、非線形方程式であるた...
-- 非圧縮性流体の基礎方程式~
流速が音速に比べて0.3以下くらいなら非圧縮と近似してよい。~
&mimetex(\mathrm{div}v = 0);~
&mimetex(\frac{\partial v}{\partial t} + (v\cdot \nabla)v...
&mimetex(v);:流速~
&mimetex(\phi=\frac{P}{\rho});:(圧力)/(密度)~
運動量の時間変化が、流れによる運動量の輸送と、~
圧力差による力、粘性力によって決まることを記述している。
-- 離散化~
もし圧力項が無ければ、~
&mimetex(\frac{\partial v}{\partial t} = \frac{v^{n+1}-v^...
&mimetex(v^{n+1} = v^{n} + \Delta t f(v^{n}));の形にでき...
まずは圧力項を無視して1ステップ進め、圧力項の分を補正する...
&mimetex(\frac{v^*-v^n}{\Delta t} + (v^{n}\cdot \nabla)v^...
&mimetex(\frac{v^{n+1}-v^n}{\Delta t} + (v^{n}\cdot \nabl...
&mimetex(\frac{v^*-v^{n+1}}{\Delta t} = \mathrm{grad}\phi...
&mimetex(\frac{\mathrm{div} v^*- \mathrm{div} v^{n+1}}{\D...
&mimetex(\Delta \phi^n = \frac{\mathrm{div} v^*}{\Delta t...
&mimetex(v^{n+1} = v^* - \Delta t \mathrm{grad}\phi^n);~
この方法はフラクショナルステップ法と呼ばれる。~
連続の式が近似的なものになることと、ポアソン方程式の収束...
静止壁についての境界条件は、壁と流体の相対速度を0に設定す...
終了行:
[[講義日程-2007年度冬学期]]
**数理手法Ⅱ [#de431ae9]
-- 担当:河村 哲也 非常勤講師(お茶の水女子大学教授)
-- 1.5単位
--- 物工:限定選択
--- 数理:限定選択B
--- システム:限定選択※
-- 16:30-18:00 工学部六号館 63講義室
-- 教科書
--- [[数値シミュレーション入門>http://www.amazon.co.jp/ex...
--- [[応用編微分方程式>http://www.amazon.co.jp/exec/obido...
**内容 [#w927085b]
- 偏微分方程式の数値解法とその応用
-- 大部分の偏微分方程式は解析的には解けない→数値的に解く。
-- 物理法則に現れる偏微分方程式の多くは2階。~
線形なものの方が解きやすい。非線形なものはできる範囲で線...
**過去問 [#rae18816]
-1. 1解波動方程式のLax法での安定条件.~
&mimetex(u_i^j=G^ne^{\sqrt{-1}\xi\Delta x});とおき,代入...
#mimetex(|G|=\frac{\Delta t}{\Delta x});
より&mimetex(\Delta t\le \Delta x);が安定条件.
-2. 2次元ラプラス方程式の境界値問題を3×3の格子を用いて解...
&mimetex((x,y)=(ai/3,j/3));での解を&mimetex(u_{i,j});と置...
#mimetex(\frac{u_{i-1,j}-2u_{i,j}+u_{i+1,j}}{(\Delta x)^2...
また,境界条件より,&mimetex(u_{0,j}=u(3,j)=0, u_{i,0}=-3...
なので,&mimetex((i,j)=(1,1),(1,2),(2,1),(2,2));を入れて...
-3. 1次元拡散方程式の初期値・境界値問題を変数分離法で解け...
&mimetex(u=X(x)T(t));とおき,
#mimetex(\frac{1}{X(x)}\frac{\partial^2 X(t)}{\partial x^...
とかおいてごにょごにょ.
-4 波動方程式,ラプラス方程式,拡散方程式の解の性質につい...
--波動方程式~
#mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2}=k^2\frac{\part...
&mimetex(u=f(x-kt)+f(x+kt));の形で表せる.
--ラプラス方程式~
#mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}+\frac{\partial...
平均値の定理,最大最小値の定理が成立.
--拡散方程式の解の性質~
#mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}=a^2\frac{\partial^...
各点で関数の値が平均化する方向に向かう.
-5 講義の感想~
指がつりました.
**授業ノート [#eb28e47d]
- 数理物理学に現れる偏微分方程式(PDE,Partial Differential...
⇔常微分方程式(ODE,Ordinal Differential Equation)
-- 二つ以上の独立変数に対する偏微分を含んだ方程式。
-- ラグランジュの偏微分方程式~
u = u(x,y) は未知~
P,Q,Rは既知として、~
P(x,y,u)∂u/∂x + Q(x,y,u)∂u/∂y = R(x,y,u)~~について、~~補...
-- ∂u/∂x + c∂u/∂t = 0 を解く。~~dx = dt/c ∧ du = 0 ⇒ u = ...
-- 一次元波動方程式~~{(∂/∂t)^2-(k∂/∂x)^2}u = 0~~微分演算...
-- 二次元ラプラス方程式~~{(∂/∂x)^2 + (∂/∂y)^2}u = 0 の解...
- 物理現象からの導出
-- 弦の微小振動。弦を微小区間に分割して運動方程式を立て、...
- 二階の準線形偏微分方程式の分類
-- 拡散方程式。熱伝導方程式。熱流は等温面に垂直に、温度勾...
-- ポアソン方程式~~熱源ありの熱伝導方程式の平衡状態の解。...
-- 波動方程式、{(∂/∂t)^2 - Δ}u = 0
-- 二階の準線形偏微分方程式:二階の偏微分方程式で、ニ階偏...
--- 2変数の準線形偏微分方程式、A∂[x]^2 u + B∂[x]∂[y]u + ...
-- 例){y^2∂[x]^2 - 4x^2 ∂[y]^2}u = 0~~y∂[x]ξ + 2x∂[y]ξ = ...
- 偏微分方程式の解法、&mimetex(\LaTeX);の練習
-- 変数分離法~
線形・同次な偏微分方程式で、境界条件も同次なときにはその...
独立変数ごとの別々な関数の積の形で解を書いてから、境界条...
方程式や境界条件が同次でないときには、非同次の特解と同次...
--- 有限長の一次元熱伝導~
&mimetex(u = u(x,t));~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
境界値&mimetex(u(0,t)=u(1,t)=0);~
初期値&mimetex(u(x,0)=f(x));~
与えられた境界値条件(B.C.,Boundary Condition)と初期条件(I...
偏微分方程式の解を求める問題。初期値・境界値問題。~
解の一意性は他で示すとして、発見的に解を見つける。~
変数分離、 &mimetex(u(x,t) = T(t)X(x));という形の解を仮定...
T,Xは、&mimetex(\frac{dT}{dt}X = T\frac{d^2 X}{dx^2});を...
変形して、&mimetex(\frac{1}{T}\frac{dT}{dt} = \frac{1}{X}...
左辺は&mimetex(x);に依存せず、右辺は&mimetex(t);に依存し...
&mimetex(\frac{1}{T}\frac{dT}{dt} = \frac{1}{X}\frac{d^2 ...
二つの別々な常微分方程式に帰着できた。~
まず、&mimetex(X);の方を解くと。~
&mimetex(X = A \sin(Cx) + B \cos(Cx)); ~
境界条件を課せば、&mimetex(B = 0);~、&mimetex(A \sin(C) =...
自明でない解は&mimetex(\sin(C) = 0);、&mimetex(C=n\pi);の...
&mimetex(X = A\sin(n\pi x));~
次に、&mimetex(T);の方を解くと、&mimetex(\frac{dT}{dt} = ...
&mimetex(T = \exp(-n^2 \pi^2 t));~
二つ合わせて、&mimetex(TX = C_n \exp(-n^2 \pi^2 t)\sin(n\...
これは境界条件を満たす解の一系列になっている。~
次に、元々の偏微分方程式が線形であることに注意して、初期...
得られた解の線形結合をとる。~
&mimetex(u = \sum_{n=1}^{\infty}A_n \exp(-n^2 \pi^2 t)\si...
初期条件を満たすように係数&mimetex(A_n);を決めれば最終的...
&mimetex(u(x,0) = \sum_{n=1}^{\infty}A_n \sin(n\pi x) = f...
&mimetex(u(x,t) = 2\sum_{n=1}^{\infty}\left(\int_{0}^{1}f...
--- 半無限長の一次元熱伝導~
境界条件を&mimetex(u(x,0)=0);、&mimetex(x\to\infty);で&mi...
それ以外は同じ。~
変数分離をして&mimetex(X);の方を解くと、&mimetex(X = A\si...
境界条件から&mimetex(B=0);、&mimetex(C);は任意の実数でよ...
&mimetex(T);の方も解いてから重ね合わせると、&mimetex(u = ...
境界条件を満たすように&mimetex(A(C));を決めると、~
&mimetex(u(x,t) = \frac{2}{\pi}\int_0^{\infty}\left(\int_...
--- 熱源のある有限長一次元熱伝導~
熱源の無いときの偏微分方程式に項を追加して、~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
特解を見つけるために、定数変化法を使う。~
同次方程式の解、&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}A_n \exp(-n^2...
&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}A_{n}(x) \exp(-n^2 \pi^2 t)\s...
偏微分法定式に代入してみると。&mimetex(A_{n}(x));が満たす...
&mimetex(\sum_{n=1}^{\infty}\exp(-n^2 \pi^2 t)\{\frac{d^2...
&mimetex(\TeX);化限界により以下略。この方程式を解いて非同...
非同次の一般解が得られる。
-- フーリエ変換による解法~
&mimetex(\hat{f}(k) = \int_a^b K(x,k)f(x)dx);という形の関...
うまく変換すると方程式本体や境界条件を簡単にすることがで...
&mimetex(a=-\infty, b=\infty);~
&mimetex(K(k,x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\exp(-ikx));と選び、~~
定義域を適当に設定したものをフーリエ変換と呼ぶ。~
--- 定義域が急減少超関数なら値域は緩増加関数。~
定義域が緩増加超関数なら値域は急減少関数、などなど。少々...
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- フーリエ変換
-- &mimetex(\hat{f}(k) = F[f] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int...
&mimetex(f(x) = F^{-1}[\hat{f}] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\i...
-- 種々の公式~
&mimetex(F\left[\frac{d^n f}{dx^n}\right] = (ik)^{n}\hat{...
&mimetex(F[f*g] = \sqrt{2\pi}F[f]F[g]);
&mimetex(F[f\cdot g] = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}F[f]*F[g]);
--- 畳み込み~
&mimetex(f*g = \int_{-\infty}^{\infty}f(\xi)g(x-\xi)d\xi);~
畳み込みは線形で可換、零関数以外との畳み込みは単射。~
&mimetex(\delta);関数が単位元。~
定数関数の&mimetex(1);との畳み込みは全範囲での積分を表す。~
&mimetex((f*g)' = f'*g = f*g');
----
- 円形膜の振動。太鼓の中心を叩く。~
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = c^{2}\Delta ...
&mimetex(u = 0); on &mimetex(x^2 + y^2 = a^2);
-- 円筒座標系で波動方程式を解く。~
&mimetex(x = r \cos \theta);~
&mimetex(y = r \sin \theta);~
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = c^{2}\left(\...
&mimetex(u = 0); on &mimetex(r=a);~
&mimetex(u(r,\theta) = u(r,\theta + 2\pi));~
-- 色々略。添付されているyambiさんのtexノート参照。
- 無限長の弦の振動
-- &mimetex( \ddot{u} = c^2 \Delta u );~
&mimetex( u(x,0) = F(x) );~
&mimetex( \dot{u}(x,0) = G(x) );~
-- 一般解は~
&mimetex( u(x,t) = f(x-ct) + g(x+ct) );~
&mimetex( u(x,0) = F(x) = f(x) + g(x) );~
&mimetex( \dot{u}(x,0) = G(x) = -cf'(x) + cg'(x) );~
&mimetex( \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\xi - f(a) + g(a)...
&mimetex( 2f(x) = F(x) - \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\x...
&mimetex( 2g(x) = F(x) + \int_{a}^{x} \frac{G(\xi)}{c}d\x...
&mimetex( u(x,t) = \frac{1}{2}\left{ F(x-ct) + F(x+ct) \r...
初期値が影響を与える領域は時間と共に広がってゆくが、有限...
- 円板の平衡温度分布
-- 半径&mimetex(a);の円板の円周上での温度分布がわかってい...
平衡状態での内部の温度分布を求める。~
&mimetex(\Delta u = 0);~
境界条件として、&mimetex(u = g \mathrm{on} \Gamma);
-- 軸対称な問題なので、極座標で考える。極座標に移れば、~
&mimetex(\Delta u = \left{\frac{\partial^2}{\partial r^2}...
&mimetex(u(a,\theta) = g(\theta));~
変数分離して、&mimetex(u = R(r)\Theta(\theta));~
&mimetex(\Theta \frac{d^2 R}{dr^2} + \frac{\Theta}{r}\fra...
&mimetex(\frac{r^2}{R}\frac{d^2 R}{dr^2} + \frac{r}{R}\fr...
&mimetex(\Theta);は周期性を持つ必要があるので、&mimetex(m...
&mimetex(\Theta = A \sin (m\theta) + B \cos(m\theta));~
&mimetex(\left(r^2\frac{d^2}{dr^2} + r\frac{d}{dr} - m^2 ...
&mimetex(\left{\left(r\frac{d}{dr}\right)^2 - m^2 \right}...
&mimetex(\left(r\frac{d}{dr}- m\right)\left(r\frac{d}{dr}...
Rが原点で有界であることを課せば、~
&mimetex(R = Cr^m);~
得られた解の群を重ね合わせて一般解を作れば、~
&mimetex(u(r,\theta) = B_0 + \sum_{m=1}^{\infty}r^{m}(A_m...
境界条件を満たすように係数を決めると、~
&mimetex(u(a,\theta) = B_0 + \sum_{m=1}^{\infty}a^{m}(A_m...
//&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\...
//&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\...
//&mimetex(\sum_{m=1}^{\infty}\frac{r}{a}^{m}(\sin(m\xi)+...
&mimetex(u(a,\theta) = \frac{1}{2\pi}\int_{0}^{2\pi}g(\xi...
- ラプラス方程式&mimetex(\Delta u = 0);の解を、調和関数と...
--「調和関数の平均値の定理」が成り立つ。~
&mimetex(u(p) = \frac{1}{2\pi a}\oint_{C}u |dr|);、&mimet...
三次元では、&mimetex(u(p) = \frac{1}{4\pi a^2}\int_{\part...
-- 最大・最小の定理~
定数でない調和関数は領域内部では極大・極小をとらない。
-- ラプラス方程式、ディリクレ境界問題の解の一意性。境界で...
2つの解の存在を仮定すると、その差もラプラス方程式を満た...
ラプラス方程式の解は境界でのみ最大値・最小値を取れるので...
よって2解の差は常に0となり、一致する。
- 1階常微分方程式の初期値問題の数値解法~
&mimetex(y'(x)=f(x,y(x))\ \wedge\ y(0)=y_0);
-- オイラー法~
非常に単純。精度はとても悪い。~
&mimetex(y' = \frac{dy}{dx} = \lim_{\Delta x\to 0}\frac{y...
&mimetex(\frac{y_{n+1} - y_{n}}{h} = y'_n = f(x_{n},y_{n}...
&mimetex(y_{n+1} = y_{n} + h f(x_{n},y_{n}));
--- 精度の向上~
&mimetex(y(x+\Delta x) = y(x) + y'(x)\Delta x + o(\Delta ...
オイラー法では、解のテイラー展開のうち、~
&mimetex(\Delta x);の一次までとって他を無視している。~
もっと高次の項までとれば解の精度がよくなる。~
なるべく手間をかけずに高階微分の項を取り入れる方法を探す。
-- 4次のRunge-Kutta法~
xをずらした点の値を使って、高階微分の項を取り入れる。
--- &mimetex(k_1 = f(x_n,y_n));~
&mimetex(k_2 = f(x_n + \frac{h}{2},y_n + k_{1}\frac{h}{2}...
&mimetex(k_3 = f(x_n + \frac{h}{2},y_n + k_{2}\frac{h}{2}...
&mimetex(k_4 = f(x_n + h,y_n + k_{3}h));~
&mimetex(y_{n+1} = y_n + (k_1 + 2k_2 + 2k_3 + k_4)\frac{h...
- 数値積分の利用
-- &mimetex(y'(x)=f(x,y(x)));の両辺を&mimetex([x_n,x_{n+1...
&mimetex(y_{n+1} - y_{n} = \int_{x_n}^{x_n+1}f(x,y(x))dx);~
右辺には未知関数の積分が入っているのですぐには値を求めら...
右辺を長方形近似したものがオイラー法。~
&mimetex(\int_{x_n}^{x_n+1}f(x,y(x))dx \sim f(x_{n},y_{n}...
まずオイラー法で予測子として仮の&mimetex(y_{n+1});の値を...
台形公式で近似するのがホイン法。~
現在の値と1ステップ前の値から直線近似で次の値を求めるの...
- 連立微分方程式と高階微分方程式の初期値問題
-- 連立微分方程式~
既知の初期値から始まり、微分が既知の関数として与えられて...
解法は1変数のときと同じ~
&mimetex(x(t) \in \mathbb{R}^{n});~
&mimetex(\dot{x} = f(t,x));~
&mimetex(x(0) = x_0);
--- オイラー法~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n} + f(t_{n},x_{n})\Delta t);
--- ホイン法~
&mimetex(k_1 = f(t_{n},x_{n}));~
&mimetex(k_2 = f(t_{n}+\Delta t,x_{n}+k_1 \Delta t));~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n}+(k_1+k_2)\frac{\Delta t}{2});
--- 4次Runge-Kutta法~
&mimetex(k_1 = f(t_{n},x_{n}));~
&mimetex(k_2 = f(t_{n}+\frac{\Delta t}{2},x_{n}+k_1 \frac...
&mimetex(k_3 = f(t_{n}+\frac{\Delta t}{2},x_{n}+k_2 \frac...
&mimetex(k_4 = f(t_{n}+\Delta t,x_{n}+k_3 \Delta t));~
&mimetex(x_{n+1} = x_{n}+(k_1+2k_2+2k_3+k_4)\frac{\Delta ...
-- 高階微分方程式~
高階の微分方程式は変数を増やすことで連立微分方程式に帰着...
&mimetex(\ddot{x} = f(t,x,\dot{x}));は&mimetex(y = \dot{x...
&mimetex(\dot{y} = f(t,x,y));~
&mimetex(\dot{x} = y);
- 数値微分~
離散的なサンプル値だけが既知の関数の微係数の近似値を計算...
-- 求めたい点の周りの関数値の線形結合で微係数を近似計算す...
周り3点を使うと、~
&mimetex(ax(t-k) + bx(t) + cx(t+h) \sim (a+b+c)x + (ch-ak...
&mimetex(a+b+c = 0);~
&mimetex(ch-ak = 1);と選べば近似値が得られ、~
さらに&mimetex(ak^2 + ch^2);とすれば精度が上がる。~
&mimetex(a=0\ hb=-1\ hc=1);と選んだものを前進差分。~
&mimetex(ka=1\ kb=-1\ c=0);と選んだものを後退差分。~
&mimetex(k=h);のときに&mimetex(ha=2^{-1}\ hb=-1\ hc=2^{-1...
- 境界値問題~
&mimetex(\ddot{y}+y+x=0\ (0<x<1));~
&mimetex(y(0)=y(1)=0);と、~
領域の境界での制約が与えられた問題を境界値問題と呼ぶ。~
今回の微分方程式の一般解は&mimetex(y=A\cos(x)+B\sin(x)-x);~
境界条件を課すと&mimetex(y=\frac{\sin(x)}{\sin{1}}-x);
-- 差分法による近似解法~
空間を離散化し、格子点上での近似解を求める。~
各格子点に番号を振り、微分を差分で置き換えて、~
微分方程式を差分方程式に近似する。~
&mimetex(\ddot{y}_{n} = \frac{y_{n+1}+y_{n-1}-2y_{n}}{h^2...
&mimetex(y_{n+1}+y_{n-1}-2y_{n} + h^{2}(y_{n}+x_{n}) = 0);~
&mimetex(y_{n+1}-(2-h^{2})y_{n}+y_{n-1}=-h^{3}n\ (1<n<N));~
&mimetex(y_{1}=y_{N}=0);~
線形微分方程式を連立一次方程式に変換できた。~
この方程式は対角要素とその上下一つだけが非ゼロの帯状行列。~
対角より下の要素を消すように掃き出し、後退代入で下から値...
&mimetex(O(n));で解ける。
- 偏微分方程式の差分解法
-- 1次元拡散方程式の陽解法~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}=\frac{\partial^2 u...
境界条件&mimetex(u(0,t)=u(1,t)=0);と~
初期条件&mimetex(u(x,0)=f(x));の~
両方が与えられている問題は初期値境界値問題。~
問題を解く領域を固定して、時間・空間を等間隔に離散化し、~
偏微分を差分に置き換える。~
&mimetex(u_{j}^{n} = u(x_j,t_n));~
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{u_{j}^{n+1...
&mimetex(\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} = \frac{u_{j+1...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t} = \frac{u...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} + \frac{\Delta t}{(\Delt...
これはnについての漸化式。初期値と境界値が決まれば次々に決...
差分近似で刻み幅を大きくとりすぎてしまうと解が振動してし...
誤差がどんどん大きくなってしまう。~
この熱伝導方程式の場合、その境目は0.5。
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{\partial^2...
&mimetex(u(t,x) = g(t)e^{-i\xi x});の形の解を仮定すると、~
&mimetex(g=e^{-\xi^2 t});が得られる。~
差分方程式の方にも特解として&mimetex(u_{j}^{n}=G^{n}e^{\x...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}}{u_{j}^{n}} = G);は増幅率と呼...
差分方程式が有界な解を持つためには、&mimetex(|G|\leq 1);...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} + \frac{\Delta t}{(\Delt...
&mimetex(G = 1 + \frac{\Delta t}{(\Delta x)^2}(Ge^{\xi i\...
&mimetex(G = 1-4\frac{\Delta t}{\Delta x^2}(\sin\frac{\th...
&mimetex(\frac{\Delta t}{\Delta x^2}\leq \frac{1}{2(\sin\...
- 陰解法~
時間微分を差分に直す際、前進差分ではなく後退差分を取って...
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t} = \frac{u_{j}^{n}-...
&mimetex(\frac{u_{j}^{n}-u_{j}^{n-1}}{\Delta t} = \frac{u...
これは、漸化式型ではなく、連立一次方程式になっている。~
陰解法では&mimetex(G=\frac{1}{1+4\frac{\Delta t}{(\Delta ...
陰解法と陽解法を組み合わせて、
&mimetex(\frac{u_{j}^{n}-u_{j}^{n-1}}{\Delta t} = (1-\alp...
と取ると、&mimetex(\alpha\geq\frac{1}{2});のとき&mimetex(...
&mimetex(\alpha=\frac{1}{2});のとき時間精度が一つ向上する。
- ADI法(Alternating Direction Implicit Method)~
二次元の熱伝導方程式の陰解法では、巨大な疎行列がかかった...
計算時間を削減するために、特定の方向だけを陰的に、他の方...
各ステップで陰的にする方向を交互に切り替えて計算すると~
計算量を削減しつつ安定性を確保できる。~
2次元ならうまくいくが、3次元ではこの方法では安定性は確...
- 移流方程式の差分解法
-- 1次元の波動方程式~
&mimetex(\ddot{u} = c^{2}\Delta u);を変形すると、~
&mimetex(\left(\frac{\partial}{\partial t}-c\frac{\partia...
この方程式は特解として、~
&mimetex(\left(\frac{\partial}{\partial t}+c\frac{\partia...
という一次元移流方程式を含む。~
移流方程式は厳密に解けて、~
初期条件&mimetex(u(x,0)=f(x));に対して~
解は&mimetex(u(x,t)=f(x-ct));
-- 差分解法~
微分を差分で置き換えると
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t}+c\frac{u_...
&mimetex(u_{j}^{n+1} = u_{j}^{n} - \frac{\mu}{2}(u_{j+1}^...
さて、元の方程式の厳密な特解を使って安定性を調べる、~
&mimetex(u_{j}^{n}=G^{n}e^{i\xi j\Delta x});と置くと、~
&mimetex(G=1-i\mu \sin \theta);~
&mimetex(|G|^2 = 1+\mu^2 \sin^2 \theta > 1);~
この解法では解は常に不安定になってしまう。
-- 差分解法その2~
今度は中心差分ではなく後退差分で近似する。~
&mimetex(\frac{u_{j}^{n+1}-u_{j}^{n}}{\Delta t}+c\frac{u_...
この差分は1次精度上流差分と呼ぶ。~
&mimetex(u_{j}^{n+1} = (1-\mu)u_{j}^{n} - \mu u_{j-1}^{n}...
再び厳密解を使って安定性を判別する。~
&mimetex(G=1-\mu e^{-i\theta});、&mimetex(\theta = \xi \D...
これは複素平面上で&mimetex((1-\mu,0));を中心とした半径&mi...
&mimetex(|G|\leq 1);であり、近似解が安定になる条件は、~
&mimetex(\frac{c\Delta t}{\Delta x} = \mu\leq 1);~
特性曲線が影響領域に含まれる必要がある。(CFL条件)~
-- 精度の向上(Lax,Wedroff法)~
時間微分を差分に置き換える際、2次の項まで残し、~
空間微分を中心差分に置き換えると、~
&mimetex(u_{j}^{n+1}=u_{j}^{n}-\frac{\mu}{2}(u_{j+1}^{n}-...
時間空間ともに2次精度の公式が得られる。~
安定条件は&mimetex(\mu \leq 1);
-- 安定条件の発見的な見つけ方~
1次精度の上流差分近似をしたものをテイラー展開し、2次の項...
&mimetex(\frac{u(x,t+\Delta t)-u(x,t)}{\Delta t}+ c\frac{...
&mimetex(\frac{\partial u}{\partial t}+ c\frac{\partial u...
となり、近似によって移流法定式が移流拡散方程式になってい...
もし拡散定数&mimetex(1-\mu);負なら、波は拡散せず~
徐々に中心に集まって尖ってゆきいずれ発散してしまう。~
厳密解と増幅率を使った安定判別は線形の偏微分方程式にしか...
差分をとったものを再びテイラー展開する方法は少々非線形で...
-- クーラン数の意味~
&mimetex(\mu = \frac{c\Delta t}{\Delta x} = \frac{c}{\fra...
分母は数値的な情報の伝わる速さ。分子は物理的な情報の伝わ...
数値的な情報の伝播は、物理的な情報の伝播に追いつかれては...
- 差分スキーム~
差分方程式で、&mimetex(\Delta x);と&mimetex(\Delta t);の...
差分近似をしたときに、差分演算子&mimetex(S);を使って、~
&mimetex(u(x,t+\Delta t)-S(h(\Delta t),\Delta t)u(x,t) = ...
にの形になるなら、差分スキームは偏微分方程式に適合してい...
&mimetex(|S^{n}|<c);ならばその差分スキームは安定であると...
-- Laxの同等定理。~
線形部分方程式を近似する差分スキームが、安定で偏微分方程...
&mimetex(\Delta t\to 0);のとき、差分スキームの解は微分方...
- ポアソン方程式の数値解法~
&mimetex(\Delta u = -\rho);~
- ラプラシアンの意味~
ラプラシアンを離散化すると、ラプラシアンの作用は~
各点について、周囲の点での値の平均からのずれを表している。
-- cf)調和関数の平均値の定理,最大最小の定理
-- 拡散方程式は、各点での関数の値が平均化する方向へ変化し...
- 優調和関数,劣調和関数
-- &mimetex(u_p \geq \frac{1}{2\pi a}\oint_c u ds);
-- &mimetex(u_p \leq \frac{1}{2\pi a}\oint_c u ds);
- 差分法で得られる連立1次方程式系の特徴
-- 大次元で非常に規則正しい疎行列~
疎行列の逆行列は疎行列になるとは限らない。⇒反復解法
-- &mimetex(Ax = b);を&mimetex(x = Mx+c);と変形し、~
&mimetex(x_{n+1} = Mx_{n}+c);という漸化式を反復する。~
&mimetex(x_{n});が収束すれば、収束先の微分法定式の解。~
&mimetex(M);のスペクトル半径が1より小さければ収束する。
-- ヤコビの反復法~
&mimetex(Ax = b);~
&mimetex(A = L+U+D);と分解。Lは下三角行列、Uは上三角行列...
Dの対角要素には0が現れないように適当に入れ替えておく。~
&mimetex(Ax = (L+U+D)x = b);~
&mimetex(x = -D^{-1}(L+U)x + D^{-1}b);
-- ガウス・ザイデル法~
&mimetex((L+D+U)x=b);~
&mimetex(x_{n+1} = -(L+D)^{-1}Ux_{n} + (L+D)^{-1}b);~
&mimetex(x_{n+1} = -D^{-1}Lx_{n+1} - D^{-1}Ux_{n} + D^{-1...
&mimetex(D^{-1}L);は対角要素の無い下三角行列。上から順に...
スペクトル半径はヤコビ法の半分ほどになり、半分ほどの反復...
-- SOR法(Successive Over Relaxation Method)~
&mimetex(x'_{n} = -D^{-1}Lx_{n+1}-D^{-1}Ux_{n}+D^{-1}b);~
&mimetex(x_{n+1} = (1-\alpha)x_{n}+\alpha x'_{n});~
&mimetex(\alpha);は加速係数。収束するためには&mimetex(0<\...
&mimetex(\alpha);を最適値に選ぶと、運が良ければヤコビ法の...
&mimetex(\alpha);の値は&mimetex(b);には依らない。~
理論的に決める方法は無く、試行により決める。
- 差分法の応用~
-- 複雑な領域の取扱い~
物理的な意味のある領域形状を、計算しやすい領域に座標変換。~
物理面から計算面への変換。
-- 物理面の格子点での差分を、格子点の座標の差分で割れば物...
複雑な形状の物理面をパラメタ付けし、パラメタが整数の点で...
- 数値流体力学(CFD,Computational Fluid Dynamics)~
基礎方程式は古くから知られていたが、非線形方程式であるた...
-- 非圧縮性流体の基礎方程式~
流速が音速に比べて0.3以下くらいなら非圧縮と近似してよい。~
&mimetex(\mathrm{div}v = 0);~
&mimetex(\frac{\partial v}{\partial t} + (v\cdot \nabla)v...
&mimetex(v);:流速~
&mimetex(\phi=\frac{P}{\rho});:(圧力)/(密度)~
運動量の時間変化が、流れによる運動量の輸送と、~
圧力差による力、粘性力によって決まることを記述している。
-- 離散化~
もし圧力項が無ければ、~
&mimetex(\frac{\partial v}{\partial t} = \frac{v^{n+1}-v^...
&mimetex(v^{n+1} = v^{n} + \Delta t f(v^{n}));の形にでき...
まずは圧力項を無視して1ステップ進め、圧力項の分を補正する...
&mimetex(\frac{v^*-v^n}{\Delta t} + (v^{n}\cdot \nabla)v^...
&mimetex(\frac{v^{n+1}-v^n}{\Delta t} + (v^{n}\cdot \nabl...
&mimetex(\frac{v^*-v^{n+1}}{\Delta t} = \mathrm{grad}\phi...
&mimetex(\frac{\mathrm{div} v^*- \mathrm{div} v^{n+1}}{\D...
&mimetex(\Delta \phi^n = \frac{\mathrm{div} v^*}{\Delta t...
&mimetex(v^{n+1} = v^* - \Delta t \mathrm{grad}\phi^n);~
この方法はフラクショナルステップ法と呼ばれる。~
連続の式が近似的なものになることと、ポアソン方程式の収束...
静止壁についての境界条件は、壁と流体の相対速度を0に設定す...
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